1. 自作キーボード導入編: キーボードを自作したい

かつてしっくりきたもの

以前使っていた DEC HiNote Ultra II(以下DHU) というノートPCのキーボードが、私にとって非常にしっくりくるものでした。キーの配列や押し心地、その全体的なバランスが手に馴染んでいたのを覚えています。

しかし、一点だけ気になる点がありました。それはポインティングデバイスです。DHUに付属していたトラックボールも悪くはなかったものの、Let’s Note に搭載されていた光学トラックボールの操作感には一歩及ばないと感じていました。

以前使っていたDHU

撮影時はもう現役ではなかったかと思う。

USキーボードに換装済み。

課題:キーボードとポインティングデバイスの一体化

時が経ち、キーボードとポインティングデバイスの組み合わせを色々と試してきました。しかし、どうしてもフットプリント(デスク上で占めるスペース)が気になり、できるだけコンパクトで機能的なデバイスを使いたいという思いが募りました。

そして辿り着いた結論が、トラックボール付きのキーボードを自作する というアイデアです。キーボードとポインティングデバイスを一体化させれば、デスクスペースを効率的に使えますし、何よりも自分の理想を詰め込んだデバイスを手に入れられるのではないかと考えました。

制作に向けた準備

制作に取り掛かる際、ハードウェア開発環境として主に M1 Mac を使用しました。作業の過程で一時的にWindows PCも併用しましたが、特に nRF52 を扱う際、macOS上の Arduino IDE がカーネルパニックを引き起こす問題に悩まされたこともありました(ただし、この記事ではその詳細には触れません)。

キーボード自作や電子工作に関心を持つきっかけは過去の使用経験や現在の環境での課題でしたが、実際に一歩踏み出すことで、新しい発見と楽しさがありました。

次回以降の一連の記事について

このトラックボール付きキーボードの具体的な設計や、使用した部品、製作中に直面した問題点とその解決策について詳しく紹介する予定です。