7. 自作キーボード外装設計編: ツール選定から3Dモデルプリント依頼

設計方針の決定

自作キーボードの筐体設計は、DHU筐体を元にするか、新規に設計するかで迷いました。

  • スキャン活用の検討
    • 3Dスキャナで筐体をスキャンし、取得したデータを加工するか、寸法を参考に新規データを作成するかを比較検討。
  • 結果的に新規設計を採用
    • スキャンデータは細かすぎるため、基準寸法だけを参考にして、FreeCADでモデルを新規に作成しました。
DHU筐体の3Dデータ

トラックボールとボタン周辺部

使用ツールの選定


3Dスキャナ

スキャンデータはそのまま使いませんが、トラックボールユニットのサイズを確認するなど、採寸するためにRevopoint MINI 2を活用しました。

  • 高精度なスキャンが可能で、ソフトウェア RevoScan5 も優秀でしたが、30cm程度の大きな対象には不向きでした。
    • 黒い対象物はスキャンしづらいため、以下を使用して対処しました:
    • スキャン用白色スプレーで着色
    • 参照ポイントマーカーを貼り付け、マーカーベースのスキャンに対応。

CADツール

  • FreeCADを選択。Fusion 360 も候補に挙げましたが、ネットワーク認証が煩わしく感じたため、使用を見送りました。
  • KiCadとの連携も可能で、以下の参考情報を活用しました:

FreeCADの使い方と工夫

  • 学習リソース
    • FreeCADの操作は以下を参考にしました
  • モデル作成時のデータサイズ対策
    大規模データの重複を抑制するため、以下のテクニックを活用:
    • クローン機能

    • 切断機能
  • はめ込み設計の寸法調整
    ケースのはめ込み精度について以下の記事を参考にしました

3Dデータ完成

3Dプリント依頼と完成品

プリント依頼の参考情報

以下のサイトを元に3Dプリント業者を選定しました

完成品

使用素材

  • 素材には強度と仕上がりのバランスが良いMJF(Multi Jet Fusion)を採用。
    • 外装全体は黒色、トラックボールのボタン部分はグレーを選択。
    • 注意点:グレー部分は指紋や汚れが目立ちやすいと感じました。

次に向けて

次回は、組み立て編で、筐体に基板やスイッチを取り付けます。